患者はAIにどう聞く?歯科医院探しの条件から、確認用の質問を作る。
患者がAIにどんな質問をしているかは、参照した公式資料には書かれていません。地域・曜日・時間帯・予約方法など、院内の基準表にある条件から、自院の紹介を確かめる質問を1つずつ作る方法を、Googleと厚生労働省の公式資料で確かめた範囲でまとめました。

この記事の要点
- 患者の実際の質問は分からない前提で、確認用の質問を作る。
- 質問は地域だけから始め、条件を1つずつ足して作る。
- 質問に入れる条件は、基準表に書かれた項目から選ぶ。
先に結論:条件から確認用の質問を作る
この記事は、「患者はAIにどんな質問をして歯科医院を探しているのか」が気になり、自院の紹介のされ方を確かめる質問を作りたい院長・事務長のためのものです。
先にお伝えすると、歯科医院を探す患者がAIに実際にどんな質問をしているかは、この記事で参照したGoogleと厚生労働省の公式資料には書かれていません。このサイトも、患者の質問を調べたデータは持っていません。そのため、この記事で示す質問は「患者はこう聞いている」という例ではなく、院内で確かめるための質問の作り方です。進め方は4つです。
- 院内の基準表から、患者が来院を決めるときに使う条件(地域・曜日・時間帯・予約方法・アクセス・診療内容)を選ぶ
- 地域だけの質問から始め、条件を1つずつ足した質問を作る
- 医院名を入れる質問は、基準表の項目ごとに1つずつ作る
- 作った質問に番号を付け、毎回同じ文で確かめられるよう一覧に残す
この手順で作れるのは、確認に使う質問の一覧です。患者がどれくらいAIで歯科医院を探しているか、どの質問で自院が紹介されるかは分かりません。回答の記録のしかたは「ChatGPTやGoogleのAI回答で、自院の紹介を確かめる方法」、引用元の確かめ方は「AI回答の引用元を確認し、医院情報の食い違いを見つける」の記事で扱っています。
なお、記事末でご案内している無料レポートは、公開されている掲載情報を媒体ごとに照らし合わせるもので、AIの回答を調べるものではありません。
公式資料で分かること・分からないこと
質問の作り方を決める前に、AIの回答や地域の検索結果が何に左右されるかを、公式資料で確かめます(いずれも2026年10月20日に公式資料で確認。仕様は変わることがあります)。
- GoogleのAIモード:さらなる調査、根拠、複雑な比較が必要とされる質問で特に便利な機能とされ、これまで複数回の検索を必要とした複雑な質問を一度に行えると説明されている
- GoogleのAIによる概要・AIモード:「クエリ ファンアウト」という手法で、関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、それをもとに回答を組み立てる場合がある
- Googleのローカル検索結果:主に関連性・距離・知名度に基づいて表示される。関連性は、検索語句とビジネス プロフィールが合致する度合いとされている
- Googleの現在地の扱い:ユーザーが現在地を共有していない場合は、Googleが現在地について把握している情報に基づいて検索結果が表示される。Google検索は、デバイスの位置情報、設定した自宅や職場の住所、IPアドレスなどから現在地を推定する
- 公的な医療機関の検索:厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)では、場所(駅・現在地など)・範囲・診療科目・受付時間などの条件を指定して、歯科診療所を探せる
これらの資料から分かるのは、質問の書き方や確かめる場所によって、回答や検索結果が変わりうることです。患者がどんな言葉で質問しているか、どの条件をよく使うかは書かれていません。そのため、確認用の質問には地名を書き入れ、確かめた場所も記録します。ChatGPTの位置情報やメモリの扱いは「ChatGPTやGoogleのAI回答で、自院の紹介を確かめる方法」の記事で、各社の公式ヘルプをもとに整理しています。
出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」、Google 検索ヘルプ「Google での検索における位置情報の設定と管理」、厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」
質問の材料:基準表の項目から選ぶ
質問に入れる条件は、患者が来院を決めるときに使う情報のうち、院内の基準表に書かれている項目から選びます。基準表に書かれていない条件で質問すると、回答が正しいかを照らし合わせられないためです。基準表は、院長または事務長が今の運用を確かめて決めた正しい医院情報で、作り方は「歯科医院の掲載情報を整えるための確認ガイド」で扱っています。
次の表は説明用の例です。地名・医院名はすべて架空のもので、患者が実際にこう質問していることを示すものではありません。
| 条件 | 質問に入れる言葉の例(架空) | 照らし合わせる基準表の項目 |
|---|---|---|
| 地域 | 「みどり台駅(架空)の近く」「みどり市(架空)」 | 所在地・最寄り駅 |
| 曜日 | 「土曜に診療している」 | 診療時間(曜日ごと)・休診日 |
| 時間帯 | 「18時以降も診療している」 | 診療時間(曜日ごとの終了時刻) |
| 予約方法 | 「Web予約ができる」 | 予約方法 |
| アクセス | 「駐車場がある」 | アクセス(駐車場・駐輪場・バリアフリー) |
| 診療内容 | 「子どもの歯を診てもらえる」 | 診療内容(医院で実際に行っている範囲) |
診療内容を条件にするときは、医院で実際に行っている範囲だけを基準表に書き、その範囲で質問を作ります。
条件を1つずつ足して組み立てる
最初から条件を重ねた質問にすると、回答が変わったときに、どの条件で変わったのかをたどれません。地域だけの質問を基本にし、条件を1つずつ足した質問を作ります。前の表と同じ架空の地名で示します。
| 番号 | 質問文(架空) | 基本の質問から変えた条件 |
|---|---|---|
| Q1 | 「みどり台駅(架空)の近くの歯科医院は?」 | なし(基本の質問) |
| Q2 | 「みどり台駅(架空)の近くで、土曜に診療している歯科医院は?」 | 曜日を足した |
| Q3 | 「みどり台駅(架空)の近くで、18時以降も診療している歯科医院は?」 | 時間帯を足した |
| Q4 | 「みどり台駅(架空)の近くで、Web予約ができる歯科医院は?」 | 予約方法を足した |
| Q5 | 「みどり台駅(架空)の近くで、駐車場がある歯科医院は?」 | アクセスを足した |
| Q6 | 「みどり台駅(架空)の近くで、子どもの歯を診てもらえる歯科医院は?」 | 診療内容を足した |
2つ以上の条件を重ねた質問(例:土曜に診療していて、Web予約ができる)を作るときは、1つずつ足した質問とは別の番号を付けます。GoogleのAIモードは複雑な質問を一度に行える機能とされていますが、条件を重ねるほど、回答の違いがどの条件によるものかは記録から分かりにくくなります。
質問文は、言い回しも含めて毎回同じものを使います。言い回しを変えたいときは、元の質問を残したまま新しい番号を付けます。
医院名を入れる質問の作り方
医院名を入れる質問は、すでに医院名を知っている人に、正しい情報が伝わるかを見るためのものです。医院名を入れない質問とは目的が違うため、結果を混ぜずに記録します。2種類に分ける理由は「ChatGPTやGoogleのAI回答で、自院の紹介を確かめる方法」の記事で扱っています。
この記事では、基準表の項目ごとに、1つの質問で1つの項目を聞く形にします。次の例の医院名は架空のものです。
- 診療時間:「みどり台歯科クリニック(架空)の土曜の診療時間は?」
- 休診日:「みどり台歯科クリニック(架空)の休診日は?」
- 臨時の休診:「みどり台歯科クリニック(架空)は年末年始に休診する?」
- 所在地:「みどり台歯科クリニック(架空)の住所は?」
- 電話番号:「みどり台歯科クリニック(架空)の電話番号は?」
- 予約方法:「みどり台歯科クリニック(架空)はWeb予約ができる?」
1つの質問で複数の項目を聞くと、回答の一部だけが違っていたときに、どの項目を照らし合わせたかが記録から分かりにくくなります。回答の医院情報を基準表と照らし合わせるときの分け方(一致・相違・未確認)は「医院名・住所・電話番号の表記を照合する方法」、診療時間の食い違いを見つけたときの直し方は「医院HPとGoogleの診療時間が違うときの確認手順」の記事で扱っています。
使わない質問と入れない情報
確認用の質問は、医院情報が正しく伝わっているかを見るためのものです。次のような質問や情報は使いません。
- 評価や順位を求める質問:「一番いい歯科医院は?」「評判のいい歯科医院は?」など。回答に出た順番や評価は、医院情報が正しいかを示すものではなく、基準表と照らし合わせられない
- 治療の効果や痛みを聞く質問:「痛くない治療をする歯科医院は?」など。基準表に書ける事実ではなく、回答を照らし合わせられない
- 実在の患者の情報:症状・氏名・来院日など、患者が特定されうる情報は質問に入れない。質問は基準表の項目と、架空の条件だけで作る
- 他院の名前:確かめるのは自院の情報なので、他院の名前を入れて比べる質問は作らない
AIの回答で自院が紹介されたことを、医院の発信で「AIがおすすめ」「一番に紹介された」のように示す前には、比較や最上級の表現になっていないかを「説明文・SNS投稿を公開する前の確認項目」と「医療広告ガイドラインの基本」の記事で確かめます。
自院で作る・業者に確認する・保留する
質問の一覧は、基準表があれば院内で作れます。次の行動は、条件が院内で決まっているかと、誰が確認を担当しているかで変わります。
- 自院で作る:基準表に書かれている条件(地域・曜日・時間帯・予約方法・アクセス・診療内容)からの質問と、医院名を入れる質問
- 今の業者に確認する:業者から「患者はAIにこう聞いている」「この質問で紹介されるようにする」と示されたとき。その質問を選んだ根拠(調べた対象・期間・件数・方法)を確かめ、示されなければ患者の質問の実態としては扱わない
- 保留する:駐車場の有無や対応する診療内容など、院内でまだ決まっていない条件。推測で基準表や質問に入れず、決まってから質問を足す
作った質問は回答の記録シートと一緒に保存し、診療時間を変えたときや祝日・長期休暇の前など、掲載情報を直したタイミングに同じ質問で確かめます。誰が確かめ、誰が承認するかは「医院情報の更新を院長・スタッフ・業者で分担するには」の記事の担当表で決められます。
質問の作り方を工夫しても、AIの回答で自院が紹介されることが約束されるわけではありません。
出典・編集について
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 ↗確認日:
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」 ↗確認日:
- Google 検索ヘルプ「Google での検索における位置情報の設定と管理」 ↗確認日:
- 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」 ↗確認日:
本記事は情報整理のためのガイドで、法的・医療的助言ではありません。制度、広告表現、各サービスの仕様は、公開時点の公式情報と医院の実情に合わせてご確認ください。
更新履歴
- :図を見直しました。
- :写真・図を追加しました。
- :Google検索セントラル、Googleのヘルプ、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)で内容を確かめて改稿しました。患者がAIにどう質問しているかは参照した公式資料に書かれていないことを明記し、基準表の項目から質問を作る表、条件を1つずつ足した質問の一覧、医院名を入れる質問の作り方、使わない質問、自院・業者・保留の分かれ目を加えました。回答の記録・引用元・照合の手順は関連記事へつなぎ、出典と確認日を追加しました。