AI回答の引用元を確認し、医院情報の食い違いを見つける。直す掲載先の決め方
GoogleのAIによる概要やChatGPTの回答に医院情報の誤りを見つけたら、回答の本文と引用元を分けて記録し、基準表と照らし合わせて、どの掲載先を直すかを決めます。各社の公式資料で確かめた引用の表示と、架空の医院の記録表・分類の例をまとめました。

この記事の要点
- 回答の本文と引用元を分けて記録し、引用元のページを開いて確かめる。
- 引用元の記載が基準表と違えば相違とし、その掲載先を直す。
- 引用元で確かめられない回答は未確認とし、掲載先を探し、見つかれば相違として直す。
先に結論:回答と引用元を分けて確かめる
この記事は、AIの回答(GoogleのAIによる概要やChatGPTなど)に、自院の診療時間や電話番号が違って書かれているのを見つけた院長・事務長が、どこを直せばよいかを決めるための手順です。AIの回答そのものは医院では直せません。直せるのは、回答の引用元になっている掲載先の情報です。進め方は5つです。
- 院内で正しい医院情報をまとめた基準表を用意する
- AIのサービス・質問文・確認日時を決め、回答の本文と引用元を分けて記録する
- 引用元のページを開き、基準表と照らし合わせて分類する
- 分類に応じて、引用元の掲載先を直すか、運営者に依頼する
- 次の確認日に、同じサービス・同じ質問文で確かめる
この手順で分かるのは、確認した日時に、AIの回答と引用元が医院情報をどう書いていたかです。AIの回答で医院が何番目に紹介されるか、なぜその引用元が選ばれたかは分かりません。基準表の作り方は「掲載情報の確認ガイド」、質問文の作り方は「ChatGPTに紹介されている?歯科医院の見え方を確かめる方法」の記事で扱っています。
公式資料で分かる引用の表示
引用元がどこに、どう表示されるかは、サービスごとに違います。この記事では、各社の公式資料で確かめられたGoogleとChatGPTの表示だけを扱います。
| サービス | 公式資料に書かれていること | 記録するときの注意 |
|---|---|---|
| Google(AIによる概要) | 主な情報と関連リンクが記載された、AIが生成したスナップショットとして表示される。AIの回答には間違いが含まれている場合がある | 回答の本文と関連リンクを分けて記録し、リンク先を開いて確かめる |
| Google(AIモード) | AIによる総合的な回答と、参考になるウェブサイトへのリンクが示される。AIによる概要とは使うモデルや手法が異なる場合があり、回答やリンクの内容にも違いがある | AIによる概要とは別のサービスとして記録し、リンク先を開いて確かめる |
| ChatGPT(ウェブ検索を使った回答) | 回答に引用が含まれることがあり、引用を選ぶと情報源が開く。「Sources」(英語版ヘルプの表記)がある場合は、引用元とほかの関連リンクを一覧できる。検索結果や引用は、不完全・古い・誤りの場合がある | 引用元を開き、回答を裏付けているか、いつ公開・更新されたかを確かめる |
画面の表示や名前は変わることがあります。記録するときは、回答の画面も保存しておきます。ここに挙げていないAIのサービスを記録するときも、そのサービスの公式資料で引用の表示を確かめてから記録します。
出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、Google 検索ヘルプ「Google 検索の AI による概要で、情報をすばやく簡単に見つける」、OpenAI ヘルプセンター「Searching the web with ChatGPT」
回答と引用元を記録し、分類する
記録には、サービス名、質問文、確認した日時、回答のうち医院情報に触れた部分、引用元のページと、そこに書かれていた内容を残します。引用元が表示されなかったときは「引用元の表示なし」と記録し、推測で引用元を埋めません。
引用元に書かれていた内容は、院内の基準表と照らし合わせ、次の4つに分けます。全角・半角などの書き方だけの違いは一致として扱います。どこまでを書き方の違いとするかは「医院名・住所・電話番号の表記を照合する方法」の記事で扱っています。
| 回答・引用元・基準表の関係 | 分類 | 次の作業 |
|---|---|---|
| 回答も引用元も、基準表と同じ | 一致 | なし(記録だけ残す) |
| 引用元の記載が、基準表と違う | 相違(引用元) | 引用元の掲載先を直す。医院が編集できない掲載先は運営者に依頼する |
| 引用元は基準表と同じなのに、回答が違う | 相違(回答のみ) | 掲載先は直さない。報告できるサービスでは報告し、次の確認日に確かめる |
| 引用元が表示されない、または引用元に該当する記載がない | 未確認 | 回答と同じ内容の掲載先を探す。見つかれば相違として直す |
「相違(回答のみ)」は、引用元が正しいのにAIの回答が違っている場合です。掲載先を直しても変わらないため、掲載先は直しません。GoogleのAIによる概要では、概要の下の評価アイコンから「問題を報告」を選んで報告できます。
「未確認」の回答と同じ内容の掲載先を探すときは、掲載情報の確認ガイドの掲載先の一覧(公式サイト、Googleビジネスプロフィール、予約サイト、歯科の検索サイト・口コミサイトなど)を順に開きます。
記録表の例:架空の医院で
次は説明用の例です。医院名・電話番号・掲載先はすべて架空のもので、実在の医院ではありません。医院は「みどり台歯科クリニック(架空)」、質問はすべて「みどり市中央で土曜に診療している歯科医院は?」(架空の地名)とします。基準表には、土曜の診療時間「土 9:00〜13:00」、休診日「日曜・祝日」、電話番号「000-0000-0000(架空)」が書かれています。分類は、基準表と引用元の両方に書かれた同じ項目だけで決めます。
| 確認日時・サービス | 回答の記載 | 引用元と記載 | 基準表 | 分類と次の作業 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-10-18 10:05・Google(AIによる概要) | 土曜は17:00まで診療 | 歯科の検索サイトA(架空)の医院ページ:「土 9:00〜17:00」 | 土 9:00〜13:00 | 相違(引用元):引用元の掲載先を直す(検索サイトAの運営者に依頼) |
| 2026-10-18 10:12・ChatGPT(ウェブ検索を使った回答) | 電話番号は000-1111-2222(架空) | 引用元の表示なし | 000-0000-0000(架空) | 未確認:回答と同じ内容の掲載先を探す。見つかれば相違として直す |
| 2026-10-18 10:20・Google(AIによる概要) | 日曜も診療 | 公式サイトの診療時間のページ:「休診日 日曜・祝日」 | 休診日 日曜・祝日 | 相違(回答のみ):掲載先は直さない。報告できるサービスでは報告し、次の確認日に確かめる |
| 2026-10-18 10:26・ChatGPT(ウェブ検索を使った回答) | 土曜は9:00〜13:00診療 | 公式サイトの診療時間のページ:「土 9:00〜13:00」 | 土 9:00〜13:00 | 一致:なし(記録だけ残す) |
2行目のように引用元が表示されない回答は、どの掲載先を直せばよいかが分かりません。掲載先を探して、000-1111-2222が載っている掲載先が見つかれば相違として直します。見つからなければ未確認のまま残し、次の確認日に同じ質問で確かめます。
3行目は、回答の「日曜も診療」に対して、引用元にも基準表にも同じ休診日の項目(日曜・祝日)が書かれているため、相違(回答のみ)と判断できます。基準表や引用元に書かれていない曜日(例:水曜)に回答が触れているときは、推測で一致や相違にせず、未確認として扱います。
公式サイトが引用元に出ないとき
引用元に公式サイトが出てこないとき、公式サイトの設定で表示を止めていないかを確かめます。各社の公式資料には次のことが書かれています。
- Google:AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ないとされている。通常の検索と同じ基本的な取り組みが前提になる
- Google:nosnippet・data-nosnippet・max-snippet・noindexの設定で、AIの機能での表示を制御できる。公式サイトに意図せず設定されていないかを、サイトを管理する人に確かめる
- Google:AIの機能に表示されたページのアクセスも、Search Consoleの、検索タイプが「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれる
- ChatGPT:robots.txtでOAI-SearchBotを拒否しているサイトは、ChatGPTの検索の回答に表示されない(ナビゲーションのリンクとしては表示される場合がある)。robots.txtを変えてから反映まで、24時間ほどかかることがあるとされている
- ChatGPT:GPTBotの拒否は、生成AIの基盤モデルの学習に使わないことを示すもので、OAI-SearchBotとは別の設定
これらは、引用元に出られない設定になっていないかを確かめるためのものです。設定を直しても、公式サイトが引用されることや、回答で紹介されることが約束されるわけではありません。
出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」、OpenAI 開発者向け資料「Overview of OpenAI Crawlers」
直したあと、同じ条件で確かめる
掲載先を直したら、まず掲載先そのものの表示を確かめ、そのあとでAIの回答を記録します。
- 直した掲載先を、患者が見る画面で開き、基準表どおりになったかを確かめて確認日を記録する
- 次の確認日に、記録表と同じサービス・同じ質問文で、回答と引用元を記録する
- 引用元が直した掲載先なら、その記載が基準表どおりかを確かめる
- 1回の回答だけで、直ったか・直っていないかを決めない
参照した公式資料には、掲載先を直してからAIの回答に反映されるまでの期間は書かれていません。回答が変わっても、掲載先を直したことだけが理由とは決めず、記録を続けて確かめます。
自院で直す・業者に確認する・保留する
分類が決まったら、引用元の掲載先を誰が管理しているかで次の行動が変わります。
- 自院で直す:引用元が公式サイトや、医院がオーナー・管理者になっているGoogleビジネスプロフィールで、基準表と違う記載
- 今の業者に確認する:公式サイトの更新を制作会社に任せている場合や、robots.txt・nosnippetなどの設定を確かめたい場合
- 運営者に依頼する:引用元が、医院で編集できない検索サイト・口コミサイト。修正窓口と依頼した日を記録する
- 保留する:未確認の回答で、同じ内容の掲載先が見つからないもの。推測で掲載先を直さず、次の確認日に同じ質問で確かめる
掲載先ごとの直し方は「掲載情報の確認ガイド」、診療時間の食い違いは「医院HPとGoogleの診療時間が違うときの確認手順」、医院名・住所・電話番号の書き方の違いは「医院名・住所・電話番号の表記を照合する方法」、直す人と承認する人の決め方は「医院情報の更新の分担」の記事で扱っています。
記事の最後の無料レポートでお渡しするのは、掲載先ごとの医院情報を照らし合わせた結果と、直す順番です。AIの回答と引用元の記録は、この記事の手順で院内で行います。
出典・編集について
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 ↗確認日:
- Google 検索ヘルプ「Google 検索の AI による概要で、情報をすばやく簡単に見つける」 ↗確認日:
- OpenAI ヘルプセンター「Searching the web with ChatGPT」 ↗確認日:
- OpenAI 開発者向け資料「Overview of OpenAI Crawlers」 ↗確認日:
本記事は情報整理のためのガイドで、法的・医療的助言ではありません。制度、広告表現、各サービスの仕様は、公開時点の公式情報と医院の実情に合わせてご確認ください。
更新履歴
- :図を見直しました。
- :タイトルと見出しを短くしました。
- :写真・図を追加しました。
- :GoogleとOpenAIの公式資料で引用の表示を確かめ、回答と引用元の記録のしかた、基準表と照らし合わせる分類と次の作業、架空の医院の記録表、公式サイトが引用元に出ないときの確認、直したあとの再確認を加えて改稿しました。出典と確認日を追加しました。