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歯科医院の口コミ返信を院内で確認する手順。書かないことと対応の分け方

Googleの口コミに返信する前に、何を書かず、どの口コミを院内で確かめ、誰が承認するか。Googleと厚生労働省の公式資料をもとに、院長・事務長が院内で使える判断表と返信の記録表、架空の返信の例をまとめました。

歯科医院のスタッフ2人が、ノートパソコンの画面を見ながら手元のノートを使って内容を確認している。
口コミへの対応を確認する場面(イメージ)

この記事の要点

  • 返信では、受診の有無・診療内容・個人情報に触れない。
  • 不満の口コミは、院内で事実を確かめてから返信する。
  • 評価の変更を頼まず、特典と引き換えに口コミを求めない。
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先に結論:返信の前に確かめること

この記事は、Googleビジネスプロフィールに届いた口コミ(Googleの画面では「クチコミ」)に、医院としてどう返信するかを院内で決めたい院長・事務長のためのものです。返信は、次の順に確かめてから公開します。

公開返信に書かない内容を確かめ、口コミに応じた対応を決めた後、返信案を承認して公開し、表示と返信日を記録する。
口コミ返信を決める3つの観点
  1. 返信で書かないこと(受診の有無・診療内容・個人情報・治療の効果・特典など)を確かめる
  2. 口コミの内容で、そのまま返信するか、院内で確かめてから返信するか、掲載情報を直してから返信するか、報告を検討するかを分ける
  3. 院内で確かめるものは担当に引き継ぎ、確かめた結果を記録する
  4. 承認者が返信案を確かめてから公開する。治療・費用に触れる口コミは院長が確かめる
  5. 公開後に表示を確かめ、記録表に返信日を残す

この記事は、届いた口コミへの返信と、ポリシーに違反する口コミの報告を扱います。口コミの投稿を患者に依頼する施策は扱いません。また、返信によって評価や検索での表示が変わることを示すものではなく、個別の文章が法令に適合するかを判断するものでもありません。

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Googleと医療広告のルール

返信の前に、Googleが口コミと返信について定めているルールと、医療広告ガイドラインで口コミがどう扱われるかを押さえます。Googleのユーザー投稿コンテンツのポリシーとヘルプでは、次のことが示されています。

  • 口コミは、その場所での実体験にもとづいている必要がある
  • 口コミの投稿や、否定的な口コミの変更・削除と引き換えに、金銭・割引・無料の商品やサービスなどのインセンティブを提供することは禁止されている
  • 否定的な口コミの投稿を妨げることや、肯定的な口コミだけを選んで募ることも禁止されている
  • 現在または過去の雇用関係などにもとづく投稿は、利益相反として禁止されている。院長やスタッフが自院の口コミを書かない
  • 返信も、口コミと同じくGoogleのポリシーに沿っている必要がある。返信するには、ビジネスのオーナー確認が必要で、オーナーと管理者が返信できる

厚生労働省の医療広告等ガイドラインでは、患者が個人のSNSや第三者が運営する口コミサイトなどに自ら書く体験談は、医療機関が費用を負担して掲載を依頼しているなどの誘引性が認められなければ、広告に当たらないとされています。一方、医院からの依頼にもとづく手記や、医院から金銭などの謝礼を受けている・約束がある場合は、誘引性があるものとして扱うとされています。

また、医院が患者の体験談を、受診を誘う目的で紹介することは、禁止される体験談の広告とされています。届いた口コミを、自院のサイトやSNSに転載して紹介しません。医院の発信全般の確認は、説明文・SNS投稿を公開する前の確認項目の記事で扱っています。

出典:Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」、厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)

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返信で書かないこと

返信は医院の名前で公開され、誰でも読めます。返信が公開されると、口コミを投稿した人に通知も届きます。返信案に次の内容が入っていないかを確かめます。

公開される返信には医院としての受け止めと対応だけを書き、受診の有無や個別の診療情報は出さない。個別の相談は窓口で受ける。
公開返信と個別相談の境界
返信で書かないこと
書かないこと理由代わりに書くこと
受診の有無・来院日(「〇月〇日にご来院いただき」など)投稿した人が自院の患者であることを、医院が公開の場で示すことになる受診の有無に触れず、医院としての受け止めと対応を書く
診療内容・経過・費用などの個別の情報患者の診療に関する情報を、医院が公開の場で書くことになる個別のご相談は窓口で伺うと書く
投稿した人の氏名や、本人の特定につながる情報Googleのヘルプは、口コミを投稿した人の個人情報を公開しないよう案内している名前を呼ばず、「ご意見ありがとうございます」などで書き始める
治療の効果(「よく噛めるようになって何よりです」など)医院の名前で公開する文章で、治療の効果を述べることになる。医療広告等ガイドラインでは、治療効果に関する事項は広告できる事項ではないとされている効果には触れず、説明や対応の姿勢を書く
割引・キャンペーン・次回の特典Googleのヘルプは、口コミを書いた人にお得な情報やプロモーションを提示する必要はないとしている書かない
反論や、投稿した人を推測する言葉(「同業者による投稿と思われます」など)Googleのヘルプは、口コミを投稿した人を個人的に攻撃しないよう案内している事実と違う点があれば、窓口で詳しく伺うと書く。ポリシー違反が疑われる場合は報告で扱う
評価の変更・投稿の削除のお願いGoogleのポリシーは、否定的な口コミの変更・削除と引き換えに特典を渡すことを禁止している。特典がなくても、評価を変えるよう求めると評価の操作につながる求めない

Googleのヘルプでは、長すぎる返信は読まれにくいこと、否定的な口コミには必要に応じて謝罪し、問題の解決のためにメールや電話で直接連絡してもらうよう案内することが勧められています。すべての口コミに感謝の返信をする必要はないともされています。

出典:Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」、厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正)

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口コミの種類で対応を分ける

口コミの内容によって、返信の前にすることが変わります。次の表は説明用の例です。口コミの内容はすべて架空のもので、実在の医院に届いた口コミではありません。

口コミの内容と返信前の対応(架空の例)
口コミの内容分類返信前の対応
「受付の方が親切でした」など、治療に触れない好意的な口コミ返信する承認者が返信案を確かめてから公開する
治療の効果や経過に触れた好意的な口コミ返信する治療と効果に触れない返信案にし、院長が確かめてから公開する
待ち時間・受付の対応への不満院内で確かめてから返信する事務長が院内で事実を確かめ、決めた対応を書いて返信する
治療の説明・費用への不満院内で確かめてから返信する院長が院内で事実を確かめ、個別の相談は窓口へ案内する返信にする
「土曜の午後も診療と表示されていたのに閉まっていた」など、掲載情報の誤りの指摘掲載情報を直してから返信する基準表と照らし合わせ、違えば掲載情報を直してから返信する
実体験にもとづかないと思われる口コミ、ほかの人の氏名など個人情報を含む口コミ報告を検討するポリシー違反に当たるかを確かめ、当たれば報告する。返信で反論しない

掲載情報の誤りの指摘は、口コミへの返信より先に、表示されている情報を直します。診療時間の直し方は「医院HPとGoogleの診療時間が違うときの確認手順」、医院名・住所・電話番号の照合は「医院名・住所・電話番号の表記を照合する方法」、掲載先全体の確認は「掲載情報の確認ガイド」の記事で扱っています。

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返信までの手順と記録表

返信は、作る人と承認する人を分け、記録を残してから公開します。

口コミを「そのまま返信する」「院内で確かめてから返信する」「掲載情報を直してから返信する」に分ける。待ち時間・受付は事務長が、治療・費用は院長が院内で確かめ、治療や効果に触れる返信案は院長が確認する。
口コミの分類と返信前の引き継ぎ先
  1. 口コミを確かめる担当と頻度を院内で決め、新しい口コミを確かめる
  2. 前の節の表で分類し、記録表に書く
  3. 「院内で確かめてから返信する」「掲載情報を直してから返信する」に当たるものは担当に引き継ぎ、確かめた結果を記録する
  4. 返信案を作る。AIで作った案も、「返信で書かないこと」の表で確かめる
  5. 承認者が返信案を確かめる。治療・費用に触れる口コミは院長が確かめる
  6. 返信を公開し、口コミの下に表示されたことを確かめて、返信日を記録する
返信の記録表(架空の医院の例)
口コミの日付口コミの要旨分類確かめたこと・担当承認者・返信日
2026-10-05受付の対応が丁寧だった返信する治療に触れない返信案であることを確認・受付の担当者事務長・2026-10-06
2026-10-08予約したのに30分以上待った院内で確かめてから返信する当日の予約の入れ方を確認し、対応を決めた・事務長院長・2026-10-10
2026-10-12土曜の午後に行ったら閉まっていた掲載情報を直してから返信するGoogleの土曜の診療時間が基準と違ったため直した・事務長事務長・2026-10-13
2026-10-14ほかの人の氏名を含む投稿報告を検討する個人情報を含むため報告した・事務長返信しない(報告の結果を待つ)

記録表は、架空の医院「みどり台歯科クリニック(架空)」を想定したものです。実在の医院の記録ではありません。

Googleのヘルプでは、返信は公開前にGoogleのコンテンツポリシーに沿っているかを審査され、通常は10分以内、最長で30日ほどかかる場合があるとされています。承認されなかった返信は編集を求められます。公開した返信は、あとから編集・削除できます。

返信の承認者や、Googleビジネスプロフィールのオーナー・管理者の分け方は、医院情報の更新の分担の記事で扱っています。

出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」

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返信の例(架空)

次の例は説明用に作った架空の口コミと返信です。実在の医院の口コミ・返信ではありません。院内で確かめていない対応や事実は、返信に書きません。

返信の例(架空の口コミと返信)
口コミの要旨避ける返信返信の例
受付の対応が丁寧だった(好意的)「〇〇様、先日はご来院ありがとうございました」「温かいお言葉をありがとうございます。これからも、分かりやすいご案内を心がけます。」
入れ歯が合うようになった(治療の効果に触れた好意的な口コミ)「新しい入れ歯でよく噛めるようになり、何よりです」「ご投稿ありがとうございます。今後も、治療の内容を丁寧にご説明するよう努めます。」
予約したのに30分以上待った(不満)「当日は急患が重なったため、やむを得ませんでした」「お待たせしてしまい、申し訳ございません。いただいたご意見は院内で共有し、[院内で確かめて決めた対応]を進めています。」
治療の説明が足りなかった(不満)「カルテを確認したところ、十分にご説明しております」「ご不安な思いをおかけし、申し訳ございません。個別のご相談は、お電話(000-0000-0000(架空))でお伺いします。」
Googleの診療時間と実際が違った(掲載情報の誤り)「ホームページをご確認ください」「ご指摘ありがとうございます。表示されていた診療時間を確かめ、正しい時間に直しました。」

[]の部分は、院内で確かめて決めた内容に置き換えます。決まっていない改善を、決まったように書きません。

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削除を求めるときは報告する

Googleのヘルプでは、削除の対象になるのはGoogleのポリシーに違反している口コミだけで、内容に不満がある・気に入らないという理由だけで報告しないよう案内されています。ポリシー違反に当たると考えられる口コミは、次の手順で報告します(ヘルプの記載にもとづく手順です。画面の表示名は変わることがあります)。

口コミが気に入らないという理由だけでは報告しない。ポリシー違反が疑われる場合に内容を確かめて報告し、審査の結果を記録する。
口コミを報告するかの分かれ目
  1. ビジネス プロフィールに移動する
  2. 「クチコミを読む」を選ぶ
  3. 報告する口コミの横にある「報告」を選ぶ
  4. 報告の理由を選ぶ
  5. 「報告を送信」を選ぶ

ヘルプでは、審査の結果が「審査完了 - ポリシー違反なし」となった口コミについて、1回限りの再審査請求ができると案内されています。

報告している口コミに、返信で反論しません。報告したことと、審査の結果を記録表に残します。

出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」

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自院で返信・確認・報告の分かれ目

口コミへの対応は、返信案を誰が作るかと、院内で答えが決まっているかで次の行動が変わります。

  • 自院で返信する:治療に触れない好意的な口コミや、院内で事実を確かめ、対応が決まった口コミ
  • 院長が確かめる:治療・費用・説明に触れる口コミ。返信案に治療の効果や個別の診療内容が入っていないかを確かめる
  • 今の業者に確認する:口コミの返信を業者に任せている場合。返信案を医院の承認なしに公開しないこと、この記事の「返信で書かないこと」を守ることが、依頼の範囲に入っているかを確かめる
  • 保留する:院内で事実を確かめている途中の口コミや、報告して審査を待っている口コミ。推測で返信せず、確かめてから返信する

業者や担当者にGoogleビジネスプロフィールの管理者の権限を渡している場合は、権限があっても承認前に返信を公開しない決まりを、依頼の時点で伝えておきます。

出典・編集について

  1. Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」 ↗確認日:
  2. Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」 ↗確認日:
  3. Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」 ↗確認日:
  4. Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィール上の不適切なクチコミを報告する」 ↗確認日:
  5. Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」 ↗確認日:
  6. 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)」(令和8年3月30日最終改正) ↗確認日:

本記事は情報整理のためのガイドで、法的・医療的助言ではありません。制度、広告表現、各サービスの仕様は、公開時点の公式情報と医院の実情に合わせてご確認ください。

更新履歴

  • :アイキャッチを写真にしました。
  • :写真・図を追加しました。
  • :Googleのクチコミに関するポリシー、返信・報告のヘルプ、医療広告等ガイドラインで内容を確かめ、返信で書かないこと・口コミの種類ごとの対応・返信までの手順と記録表・架空の返信の例・報告の手順を加えて改稿しました。出典と確認日を追加しました。
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